数年前にコンバースのアメリカ工場の閉鎖に伴い、オールスターやジャックパーセルからMADE IN USAの文字が消えました。
 現行モデルにない綺麗なカラーやシルエットが魅力のUSA製オールスターのデッドストックは希少価値の高いアイテムとして注目を集めています。


 FIRST RELEASED : 1917
 ORIGINAL PURPOSE : Basketball
 EXAMPLES SHOWN : Reissues / Office editions
 NOTES : This shoes featured in the film I,Robot,starring Will Smith.
 Its classic status,history and styling should ensure that it continues to sell for many years to come.



 コンバースの歴史は、1908年、米国マサチューセッツ州モールデンに始まった。当時47歳のデパート経営者だったマーキス・M・コンバースは、降雪量が多く深い森や湿地帯の続くマサチューセッツ州の地域性に着目し、コンバース・ラバー・シュー・カンパニーを設立。その翌年、雨や雪の中でも作業できるラバーシューズの製造を開始した。彼の見込みは的中し、コンバースのラバーシューズは、その品質の高さから圧倒的な支持を受け、1910年には、従業員350人を擁する地元の有力企業へ成長していった。

 創業者マーキス・M・コンバースは、ラバーシューズの販売が雪の多い冬場に集中することから、通年で販売できる商品の必要性を感じていた。そこで彼が着目したのが、当時YMCAで教鞭をとっていたジュイムス・ネイスミス博士が冬場にできるスポーツとして考案した、バスケットボールであった。さまざまな試行錯誤の末に、1917年、コンバースはバスケットボール専用のシューズを開発する。それが、「キャンバス オールスター」である。当時のキャンバス オールスターのスタイルは、現在のものと驚くほど変わらない。それだけこのシューズが完成された機能とフォルムを持っていたと言える。特に足首を保護するハイカットのデザインは斬新で、まもなくプロの使用に耐えうる本格的なバスケットボールシューズと成長した。当時スタープレイヤーだったチャールズ・H・テイラーは、プロバスケットボールリーグに入団すると同時にキャンバス オールスターの品質に惚れ込み、現役時代を通じて愛用。
 引退後も全米中のハイスクールやカレッジのバスケットチームを訪ねてクリニックを開しながら、多くのプレイヤーにキャンバス オールスターを広めた。さらに、今でいうプロフェッショナルアドバイザーとして、シューズの改良についてさまざまな助言を与えたのである。
 彼の偉大な功績を称えて、1923年彼の名がヒールラベルに記載されるようになり、さらに1946年からはアンクルパッチ(くるぶしを保護するための円形パッチ)に記されるようになった。世界最初のバスケットボールシューズのシグニチャーモデルはこうして生まれたのだった。

 1968年、プロバスケットボールプレイヤーのための競技用も出るとして、レザー及びスエード製のオールスターを発売。その後オールスターは、徐々にその活躍の舞台をバスケットコートだけでなくストリートへも拡大していった。1971年、キャンバース オールスターのカラーバリエーションが追加され全8色展開となり、1984年には"Fashion All Stars"と名づけられた柄や素材に意匠を凝らした新商品群を発売、その後もデザイン性に富む様々なオールスターを発表し続けている。
 1917年から2005年までにオールスターの累計販売数は8億足を超え、世界の定番スニーカーとして今も親しまれている。